『今いる場所が心と体を作る。ここにあるものだけが真実さ』

女子高生の青春薙刀マンガ、『あさひなぐ』

p_20161001_225328

もうね、何回も何回も取り上げようと思いつつ、なかなか筆の重かった作品だったわけですが、8月末に発売された最新20巻にて、「もうコレは書いとかないと!!」と思えるエピソードがあったので、当ブログでシェア。

ちなみに、『あさひなぐ』ってどんなマンガ?っていうみなさんにざっくりとご説明

高校入学を機に今までとは違う自分になる、と決意した15歳の高校1年生・東島旭(モ人注、とうじまあさひ)はひょんなことから薙刀部に入部することに。強い女になりたいという想いを抱き、曲者揃いの薙刀部で無い無いづくしの旭の奮闘が始まる。
wikipedia あさひなぐ あらすじより)

…うーん、もっとこう、色々あるんスよ!主人公の旭ってば、武道どころかスポーツの経験もない、いわゆる「どんくさい」女の子。もうね、新しい職場で「キミ、運動とかやってなかったって言ってたよね(どうりでどんくさいワケだよ)」とか言われたモ人は共感しまくりのスタートなんです。

しかも、成り行きじょう見学にいった二ッ坂高校薙刀部で先輩から

「薙刀はいかに力を抜けるかが肝心なの。最初は余計な筋力はないほうが上達も早いの」

だの

「運動が得意な人が必ずしも薙刀で強くなるわけじゃないのよ。逆に言えば運動がそこそこの人が、薙刀だけは強かったりね」

だの

「(マイナースポーツだから競合が少ない=数回勝ち上がったら全国)スポーツに縁のなかった人間が、ある時突然全国にその名をとどろかすようになる。薙刀は高校部活界における、アメリカンドリームなのよ!!」

とかいいように言われて入部したドンメガネ旭が、同じく入部した一年生の八十村(やそむら)将子(剣道経験者、薙刀への転向でのドラマとかあり)紺野さくら(バレー部出身のノッポ、大金持ちでお姫様)と協力したり、ぶつかりながらも成長していく物語…というのが一般的な紹介になりますでしょうか。

まぁね、他にも当然色々な先輩らや、ライバルである國稜高校、顧問や合宿先の指南役などなど個性的なキャラクターとのドラマもあるんですが、そのあたりはまた改めて(?)

んで、20巻ってどんな話?

積み重ねた修行の成果を身につけて、色々な試合を勝ち上がっていくあさひ。また、2年生になって実力もあり生意気な下級生との衝突も乗り越え、遂に迎えたインターハイ予選団体戦決勝戦。相手は旭の因縁のライバルである「一堂寧々」のいる國稜高校。

19巻の最後から始まった団体戦であり、先鋒戦(それまであまりマジメな意味でスポットライトのあたってなかった大倉文乃が取り上げられた、印象深いエピソードでした)が終わった状態。

20巻でも引き続き、次鋒以降も順調に試合が続き、因縁の対決である旭VS寧々にッ!!もうね、15巻で初めてガチンコの直接対決を繰り広げた彼女達、それぞれの中で、それぞれのチームメイトとの関係の中で作品のテーマ的なものを感じる大一番なんですが!!なんですが!!!

今日ご紹介するのは、そうした「まさに見せ場!!」という大一番ではなく、冒頭2編『エースではない二人①』『エースではない二人②』

二ッ坂、國稜それぞれの二年(旭と同級生)であり、一方は剣道からの転向者―八十村(やそむら)、一方は武道具店の家に育ち、子どもの頃から薙刀に親しんでいた的林つぐみ。それぞれに入学までに積み上げてきたキャリアから言って、「相当にデキる」筋なんですね。

しかし、それぞれの入った薙刀部には、彼女達の上を行く存在や、刺激し合う仲間…それは、格下だと思い込んでた同期に勝てなくなったという辛い事実を受け入れる事や、自分以外強い人間はいないと思い込んで入った薙刀部に鬼神のような同期がいたという『壁』

そんな彼女達が、お互いにぶつかる試合。

冒頭、的林が「剣道のクセが強いヤツ…」と思いつつ、「あれ、コイツ…こういうヤツだったっけ?」と違和感を抱きます。そして、互いに遠間で探り合うようにけん制しあっていきます。試合のなか、それぞれの「今まで」「ままならなさ」という想いを振り返っていきます。

その二人の試合を眺めながら、二ッ坂の合宿先であるお寺の副住職であり、薙刀の指南役でもある寿慶(じゅけい)とその友人(?)であり、薙刀連盟の偉い人っぽい(?)タディー田所女史が語り合います。

寿慶(以後J)「いい試合だな。遠間で。」
タディ(以後T)「ー…うん、確かに。二人ともチームが違えば、エースと呼ばれていても不思議はないだろうに。」
J「さあ、それはどうだろうね。今いる場所が心と体を作る。ここにあるものだけが真実さ。

二人は、「そのチームでなければ」その二人にはなれなかった。

寿慶さんはお坊さんですし、ちょっと仏教的な考え・要素が入ってるんじゃないの?って気がしないでもないんですが、そうであったとしても考えさせられる言葉です。

今いる場所が心と体を作る。

「今」エースが張れる実力を持つ二人だったとしても、ままならない『壁』にぶつかって、乗り越えようとあがいた末に積み上げた「今」なのであって、『壁』もなく、のびのびと過ごしていたならどうであったのか。


モ人は、そして家族は状況判断の末、転職・転居を行いました。

まだまだ新しい職場に通いだして一ヶ月。業種は近しくても、業務は全くと言ってもいいほど違う仕事に取り組んでいる一ヶ月。家族全員、新生活に慣らす事に精一杯だった一ヶ月だったと思います。

しかし、今モ人自身は前職で期待されていた役割や緊張感とは、また違ったモノを背負っていくのだろうという手ごたえや緊張感を感じています。

前職を辞める際に、(大変ありがたいことに)色々な方々に引きとめていただきました。そして、その中に「もしかしたら…」という風に、なんといいますか、もう少し残ってみるべきなのかな?と揺れ動いた事もないとは言えません。

前職に居た時は、「その場所が」。そして、前職を飛び出して、現職に飛び込んだ今となっては「今の場所が」。それぞれのときどきでモ人という人間の「心と体を作っているんだろうなぁ」と思えてきます。

まだまだ、人生全体の勤め人生活歴は折り返しにもさしかかってない状況(?)ですが、ひとまずのケジメ…と考えていた時に目に飛び込んできたセリフだったので、ちょっと深く受け止めてしまいました。

他にも、色々と「刺さる」描写の多い女子高生青春薙刀ストーリー、『あさひなぐ』。みなさんも秋の夜長にいかがでしょうか?

それでは せいぞんせんりゃく しましょうか

スポンサーリンク