『健康で文化的な最低限度の生活』

久しぶりに、パンチの利いたマンガ読んじまったぜ…(僕だけがいない街とかニンジャスレイヤーとは別の意味で。)

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(思わず、既刊三冊を大人買い)

『健康で文化的な最低限度の生活』って?

サムネイルを読まずに「日本国憲法第25条でしょ?」とか「ああ、生活保護の前提ね」とすらすらーっと出てくる人にとって、何気に興味深い作品なのではないでしょうか?

そう、このマンガはサムネイルの帯でなんとなくネタバレしているとおり「『生活保護制度』の窓口である自治体の福祉事務所職員の奮闘記」なんですね。

っていうか『生活保護』ってなに? #念の為

…い、いや、知らない人いないだろ…と思いつつ…

『生活保護-』

『それは日本国憲法第25条、』

『「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」』

『「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障 及び公衆衛生の向上 及び増進に努めなければならない」』

『…という理念に基づき…』

『国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ必要な保護を行い、』

『その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする…』

『日本国民にとっていわば最後の砦である。』

(第一巻・第一話より抜粋)

とてつもなくざっくり説明すると「働いてない人、働けない人に対して、『健康で文化的な最低限度の生活』を送る為に、税金から金銭支援を行い、『健康で文化的な最低限度の生活』を保証すると共に、勤労などを通じた自立支援を行う事」だと思っててよいと考えます。

この制度、万人に平等に与えられるセイフティーネットであるのですが、この制度を支える資金の源は、国民の血税(けつぜい。ちぜいって読んでた人がいたので、念のため)です。

また、『健康で文化的な最低限度の生活』というのが何をさすのか?というのは色々と解釈ができるものです。

生活を保証する=資金を与えるという事しかできないのですが、与えたお金をどう扱うのかは、受給者次第です。また、労働を伴わない収入=不労所得ともいえるわけでして…お金を得る=労働をする、という図式が成り立っている現代社会においては、(色々と条件や規模の制約があるものの)常識を覆す『オトク』な制度と思われる事が多々あります。

ただし…『オトク』という一方、色々な物を『持っていない』人にしか適用されない制度ですし、この制度を活用することそのものが「自分で自分の面倒を見るコトのできないスカポンタン」という風に白い目で見られる昨今。考え方は様々なのでしょうが、「生活保護=働きもせず血税で暮らしてる」という風に捉えて嫉妬したり、不快に思ったりする人が多いように感じます。

生活保護を申請する人、受給する人、受け付ける人それぞれの物語が紡がれていく。

このマンガは、東京都東区役所に就職したばかりの新人公務員・義経(よしつね)えみるが、福祉事務所で生活保護を担当するケースワーカーとして、いろいろな生活困窮者と触れ合っていくなかで、成長していく(?)物語です。

もうね、びっくりします。生活に困窮している方々の描写とか、その困窮に至った背景や現状が、なんかこー「闇金のウシジマ君」の債務者を別の側面から見ているような。

なんていっても、第一話からさっそく一人死にますからね。非情です。人の生き死にの瀬戸際を(経済的に)握っている主人公らと、その扱う『生活保護』という制度の重みが描かれています。

また、これは常々思っていたコトを思い知らされたんですが「おかねはおっかねー」という事。極論を述べるならお金は『手段』であり、『道具』でしかないわけですが、『生活の選択肢』でもあるわけで。その『生活の選択肢』であるお金を取り扱う事の難しさ。特に、『健康で文化的な最低限度の生活』を維持する為の最後の砦として、血税を取り扱うケースワーカー達が直面する困難。


既刊は三冊なので、思いたって大人買いできる冊数(?)です。また、ドラマ『重版出来』で本屋さんの陳列に関して、興味深く拝見していたところ、ふらりと立ち寄った書店のマンガコーナーで『マンガコーナー担当のおススメ!』として超プッシュされてたので、「コレも何かの縁だろうな。気になるし」と思い立ち、そのままレジに持ってってました。

こういう買い方は、女子薙刀マンガであり現在も読み続けている『あさひなぐ』以来でしたが、やっぱセレンディピティ(偶然性?)に従って購入した本が面白くて面白くて誰かに紹介したくてたまらなくなるって経験は、楽しいもんですね。本屋に行ってよかった!と思えるし。

それでは せいぞんせんりゃく しましょうか

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